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第2回
『クジラの話2』
村の皆に知らせる必要があるね。
「イルカに似た大きい生き物がいる!」って。
そうじゃなくてさ。
もっと、こう・・・。
ワクワクするような伝え方をしないと。
「信じられないくらい大きい、
この世のモノとは思えない生き物がいた!」
大事な事だと思うんだよね。
いずれ歴史の本とかに記載されたいし。
第一発見者のエピソードとしてね。
「クジラは、
当時の若者によって浜で発見された」。
「若者の騒ぎを聞きつけた村人によって、
クジラの噂は瞬く間に広がった」。
みたいにしたいんだよ。
「イルカに似た生き物が、
打ち上げられている」なんて、
村の皆が驚かないよ。
でもさぁ村の皆も、
「なんか、魚っぽいなぁ」くらいは思うだろ。
いくら大げさに説明してもさ。
「魚」ってイメージは、
持って欲しくないな。
実際、魚ではない訳だし。
哺乳類だからさ。
じゃあ「首長竜かもしれない!」とか言おうか。
相当びっくりするだろ。
これは大事件だよ。
首長竜って・・・。
そりゃホントに首長竜なら大事件だけど、
実際にいるのは大きなイルカだよ。
そんなこと言ったら、
実物を見てがっかりしない?
・・・確かに。
ああ、もう!
それなら最初から言っちゃえよ。
「大きいイルカみたいなのが浜にいます!」って。
クジラってだけで、そもそも大事件だよ。
いや、まぁそうなんだけどさ。
少しでも皆を驚かせたかったんだよ。
『談話室』
第1回『クジラの話1』
第2回『クジラの話2』
第3回『ラクダの話1』
第4回『ラクダの話2』
第5回『ラクダの話3』
第6回『ラクダの話4』
第7回『ダチョウの話1』
第8回『ダチョウの話2』
第9回『ダチョウの話3』
第10回『ダチョウの話4』
第11回『ダチョウの話5』
第12回『苦手な話1』
第13回『苦手な話2』
第14回『苦手な話3』
第15回『レギンスの話1』