こんにちは、たくです。
今回は湿っぽい話です。
どうかご容赦ください。
先日、友人が亡くなった。
昔はお互いゲーム好きということもあり、
毎日のようにつるんだものだった。
僕が生まれて初めて買ったCDは、
『FINAL FANTASY VIII』挿入歌の、
FayeWongが歌う『EYES ON ME』で、
買ってすぐに彼の部屋で聴いた。
「もののけ姫みたいな曲だな」と、
そのとき彼はそう言ったのだけど、
笛の音に共通点を見つけたんだろう。
「そうだなぁ」と僕は返した記憶がある。
当時の僕たちは現在と同じように、
ゲームが発売する度に進化を感じ驚いた。
その中でも特に印象深かったのは、
『Tales Of Destny』というゲーム。
格好良いアニメーションムービーと、
DEENの挿入歌が流れるのこのゲームに、
僕たちは「すごい」と言い合った。
ゲームはどんどん凄くなる。
何度もそう言い合ったものだった。
彼は更に「いつかこのムービー自体を、
自分で動かせるようになるかな」と、
小さく呟いていた。
僕はそれを想像して、ワクワクした。
『テイルズ』シリーズは今年で15周年。
新作は『TALES OF XILLIA(TOX)』。
挿入歌は浜崎あゆみが手がけ、
彼が夢見た「動かせるムービー」は、
恐らく当時の想像を越えた美しさだ。
ちなみに発売日は9月8日。
彼が死を選んだのは9月4日だった。
彼が発売日を知っていたのかどうか、
いまとなっては分からない。
面白いゲームはこれからも生まれ続けて、
驚くような進化を僕たちは体験できる。
僕はまさか自分が大人になってからも、
ゲームファンでいると思っていなかった。
けれどそれ以上に、
彼がいなくなるとは思っていなかった。
夢にも思わなかった。
第1回『ぼくのなつやすみ2(前編)』
第2回『ぼくのなつやすみ2(後編)』
第3回『TALES OF XILLIA』