7月24日火曜日、
午前11時になりました。
もうすぐお昼ご飯の時間ですね。
とつぜんですが、
料理にはレシピに載らない材料も
ある気がしませんか?
林間学校で食べたカレーライス。
家族みんなで食べたハンバーグ。
初給料で食べたステーキ…。
「美味しい」がいつか「思い出」になるとき、
ひとは何度でも、心の中で
思い出の料理を食べることが出来る…
なんて言ったら大げさでしょうか。
というわけで、さぁ新連載です。
思い出の食事を雑談する、
『おもいでをたべる』
どうぞ召し上がれ。
みそおにぎりって分かりますか?
おにぎり。
具が味噌なの?
いや、具は入ってないんですよ。
んん?
おにぎりの周りに
味噌が塗ってありまして。
へぇぇ。
ただそれだけ。
めちゃくちゃ簡単です。
いや、でも美味そうだね。
よくあるのは焼いてあるやつなんですよ。
「焼き味噌おにぎり」とかって。
でも自分が好きなのは、
死んだ祖母がよく作ってくれた
焼かないタイプで。
おばあちゃんが。
ええ。本当にただ単純に、
「握った白いご飯の周りに
味噌が塗ってある」だけ。
うんうん。
でもそれが腹いっぱいの時でも、
何故か入っちゃうんですよね。
なんか分かるな〜。
あの適当さというか、
手が込んでないところが良いんです。
逆に手が込んじゃうとダメですね。
じゃあ海苔を巻いたりも…。
ダメですね。
「ただ」味噌が塗ってある。
ご飯も何でもいいんです。
炊きたてでも残り物でも。
なるほどね。
握る祖母の手から、
「何か調味料が出てるんじゃ」
ってくらいウマイ(笑)
うははは。
でもじっさいは隠し味というか、
味噌に砂糖を混ぜてた
気もするんですよねぇ…。
砂糖を?
すこし甘かったような気がするんです。
まぁ、今となっては分かりませんが。
おばあちゃんだけが知ってるのか。
ええ。「手軽さ」が大事な飯なのに、
もう食えない味になりましたね。
…泣けるね。
「おにぎり」はふしぎな料理です。
誰もが出来るレシピなのに、
「その人でなければ」という思い出が
なぜかとっても多いんです。
手をつかって作る料理だからでしょうか。
今日もどこかで、だれかが握って…。
『おもいでをたべる』。
次回をお楽しみに。