2012-03-24
3月24日土曜日、午前11時。
こんにちは、おかです。
先日桜の開花予報をニュースで聞きました。
もうすっかり春、出逢いと別れの季節ですね。
たった1つの「出逢い」によって、
人生が大きく変わることもある…転換の時期。
さて今回は今年の日本のアカデミー賞を、
総なめにした作品をご紹介します。
この本も1つの「出逢い」が、
壮大なドラマになっていきます。
不倫相手の子供を誘拐し、
西へ西へと逃亡する希和子と、
『薫』と名づけられた少女。
様々な人々からの助けを借り、
住処を転々としながらの逃亡生活は、
4年間にも及んだ。
「この子と1日でも長く一緒に居たい」
これが希和子の最大の願いだった。
誘拐事件の収束後。
成長した薫は、逃亡生活中に一時、
共に暮らした女性と再会する。
彼女の出現で薫は封印していた思い出と、
真っ向から対峙することになった。
楽しかった希和子との生活、
実の家族との屈折した関係。
何故、上手くいかないのか。
少女は頑なに目を背けていた過去を、
少しずつ辿っていく。
誘拐は犯罪ですがそれ以上に、
子育ての素晴らしさが感じられる1冊です。
登場人物のほとんどが女性。
理性と母性に挟まれながらも、
子供に支えられる母親。
親子って何なのか、恋愛って何なのか。
女性ならではの視点に引き込まれます。
男性には理解し難い所もあるかもしれません。
だからこそ読んで欲しい、そう思います。
アカデミー賞総なめ、納得の結果でした。
さて、卒業シーズンです。
自分が卒業する訳ではないのに、
切なくなってしまいますね。
母校の卒業式で下級生に向かって、
お菓子を投げた思い出は未だに印象強いです。
妙な風習でしたが、楽しかった(笑)
今は廃止されてしまったそうで少し残念…。
3月も残り少し。新生活の準備を始める方も、
いらっしゃるかと思います。
出逢いと別れの季節。一期一会を大切に、
素敵な新年度を迎えて下さい。
八日目の蝉 角田 光代 中央公論新社 2007-03 |