5月24日木曜日、午前11時。
水泳番組『プールばなし。』のお時間。
現在番組のテーマは、
『ロンドン五輪で水泳メジャー化計画』。
五輪観戦を目一杯たのしむための
情報をお届けしています!
てい‐おう【帝王】
ある分野・社会で、
大きな権力や支配力をもつ人。
…競泳の世界でも、
【帝王】と呼ばれる方がいます。
そう、バサロの帝王、
鈴木大地さんです!
「バサロ」ってなんだ〜って方は、
前回を参考にしてくださいね♪
1984年、ロサンゼルス五輪。
100M背泳ぎ11位。
200M背泳ぎ16位。
400Mメドレーリレー、失格。
このように、鈴木選手は初五輪で、
にが〜い思いをしています。
が、しかし!
1988年のソウル五輪で、
帝王は進化します。
100M背泳ぎにおいて、
日本競泳陣16年ぶりの金メダル(55秒05)。
400Mメドレーリレーも5位入賞です。
大進化ですね。
さて、この100M背泳ぎでの金メダル獲得。
じつは一か八かの駆け引きがありました。
それが「バサロ」です。
バサロキックの回数は、
体力や精神力などを踏まえ戦略を立てます。
当時の鈴木選手のキック回数は21回でしたが、
なんと五輪決勝では27回キックしました。
これにより、世界記録保持者である
アメリカのデビッド・バーコフを0.13秒差で破り、
金メダルを獲得したんです。
ちなみに、いまの泳法でこの回数を
キックすると確実に失格です(笑)
6回も水中でのキック回数を
増やすということは、賭けです。
体力が奪われ、酸素不足で
集中力が散漫になってしまったり、
バサロ後の泳ぎが乱れ、
減速するのが普通です。
しかし鈴木選手は、
「普通に泳ぎではデビットに勝てない」と、
バサロでリードを奪うことに決めたそうです。
バサロの技術が群を抜いていた、
鈴木選手にしかできない戦略。
日本の競泳界16年ぶりの金メダル獲得には、
こんなドラマがありました♪
またこれにより、長らく沈滞気味であった
日本の水泳界に、再び水泳ブームを
巻き起こしたのです♪
現在は解説者として活躍している鈴木元選手。
母校の順天堂大学では医学博士号をとり、
准教授としての地位もあります。
ちなみに、そのほかの地位も
すごいです。
ー
日本水泳連盟理事への選出。
競泳委員会委員。
オープンウォーター・生涯スポーツ、
及び日本泳法統括責任者。
世界アンチ・ドーピング機構、
アスリート委員への選出。
ー
…訳がわからないほど
学識が溢れていますね(笑)
鈴木大地さんの解説は、
生徒に教えるような包容力のあるもの。
一味ちがう彼の魅力の元には、
豊富な学識にあるのかもしれませんね。