11月10日土曜日、午前11時。
様々なジャンルの本を紹介していく、
『ブックベルト』のお時間です!
「読書の秋」の特別企画3回目。
最終回に選ばれた今回の本は、
何とも味わいのある作品です。
こんにちは、おかです。
今年は残暑が長かったせいか、
あまり秋を楽しめないまま
冬になってしまいそうです。
でもそういうときこそ秋を求めて、
テンションを上げるのもいいですね!
そんなわけで、読書の秋特別企画も
とうとう最後の1冊です。
熊が気付いた時にはもう、
記憶はすっぽりとなくなっていた。
覚えているのは、
『レディベア』
という名前だけ。
それが誰の名前なのかさえも
思い出せないまま、それでも
自分にとって大切だった筈の
「誰か」に出会うために、
熊は手当たり次第に探し始める。
記憶をなくしても尚感じる、
相手への想い…しかし。
熊が記憶を失くしたのは、
ある意外なことが原因だった。
様々な動物たちが織り成す、
絆と孤独を感じさせる寓話集です。
まさか「ほんのまくら」フェアに、
絵本まで混ざってるとは思いませんでした。
この本は子供と大人とで、
だいぶ感じ方が変わると思います。
どの話も読み聞かせにもってこいな
道徳的な話なのですが、よく読むと
オチがシュール。絵も味があって、
絶妙なバランスの1冊です。
3ヶ月に渡ってお送りしてきました、
「読書の秋特別企画」。
いかがだったでしょうか。
薄さも重視して選んだため、
3冊とも短編集でしたが(笑)
私としては、どれも普段選ばないよう
な本ばかりで、良い本たちに巡り
逢えたなと思っています。
ちなみに「ほんのまくらフェア」で
つかわれていた特別カバーはこちら。
この状態で100冊もの本が並ぶ「紀伊国
屋書店」は、それはそれは異様でした。
「書き出しの1文」が重要だということと、
普段とは違うジャンルの本を読んでみると
いう冒険心。この2つの大切さを、身を
以って体感したフェアでした。
またやってくれないかしら。
皆さんも、たまには冒険してみる
のはいかがでしょうか。本格的な
冬が来る前に、紅葉と共に新しい
本をぜひ手にとってみてください。
頭のうちどころが悪かった熊の話 安東 みきえ 下和田 サチヨ 理論社 2007-04-02 |