11月28日水曜日、午前11時。
様々なジャンルの本を紹介していく
『ブックベルト』の時間です。
今回は色あせない名作をご紹介。
今年も残りがみえてきましたが、
みなさんは「旅」、しましたか?
こんにちは、たくです。
先日、来年用の手帳を手配しました。
その際、ついでにと今年の手帳を
読み返して驚きました…。
年始に書いた今年の「やりたい
こと」リストのほとんどが、
達成できていなかったのです。
というか目標の存在を忘れていました。
残された1ヶ月と少しでぼくは、
国内外へと忙しく「旅」をして
ボクサーばりの「ダイエット」を敢行して
銀行残高の「貯金」に記載される0を
ひとつ多くしなければなりません…無理。
せめて最初の目標であった「旅」だけ
でも達成すべく読み返した作品を
今回はご紹介します。
インドからイギリスまで、
乗り合いバスで辿り着けるか。
持って行くのは、かき集めた
1900ドルと、両手で数えられる
くらいの日用品。「インドから
イギリス」という軌道以外、
ほとんどまったく決まっていない旅。
ミッドナイトエクスプレス<深夜特急>。
トルコの刑務所受刑者の隠語で「脱獄」。
日常生活と、あらゆる「当たり前」から
「脱獄」をして、ロマンの旅がいま始まる。
沢木耕太郎の代表作である今作。
金字塔という言葉は、この作品の
ためにあるのではないでしょうか。
「旅」というテーマを扱った小説を
挙げていくならば、殆どの方が外さない
作品だと思います。
出逢う人々も、起こる出来事も、
すべてが「偶然」によって出来ている。
誰からも、著者からさえも、
コントロールされていない展開。
「旅にいきたくなる」ではなく、
「旅をしている」と感じさえする。
自由という言葉を感じたくなったとき、
ぼくはスティーブンキング原作の
『ショーシャンクの空に』という映画と、
この『深夜特急』を思い出します。
前者で主人公は刑務所から脱獄しますが、
『深夜特急』で脱獄するのは、日常生活。
まさに「旅」醍醐味。粋なタイトルです。
香港・マカオ (新潮文庫) |