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第4回
『葵祭1』
てつです。
5月の京都には、
有名な祭りがありまする。
日本最古の祭りとも知られる、
「葵祭」です。
平安時代よりも昔から続く、
古墳時代の欽明天皇の時代。
国内が風水害で凶作に見舞われ、
その原因が、
「賀茂神(かものかみ)のたたりである」
との占いから祭礼を行ったのが、
始まりと伝えられています。
平安京遷都に伴い、
勅祭として行われましたが、
応仁の乱や戦争など、
様々な理由で中絶や再興、
規模の変革などを経て、
現在の形になったのが、
昭和31年。
平安時代中期には、
「祭り」といえば、
葵祭をさすほど。
その模様は文学作品にも描かれています。
『源氏物語』「葵の巻」には、
斉院列見物に出かけた、
葵の上(光源氏の正妻)と、
六条御息所(光源氏の恋人の一人)が、
牛車をとめる場所をめぐって争う、
通称「車争い」のシーンが有名。
源氏物語を一度読んだら、
「あ〜、あれね」のシーン。
葵の上は光源氏が、
自分の理想の女性として、
小さい頃から面倒を見て妻にしました。
対する六条御息所は、
源氏物語でも序盤に登場し、
尻軽な光源氏と、
一時期は御熱いご関係をもったが、
あまりに嫉妬深く、
生霊としても出てくる程の、
マジ怖なおばさん。
そんな2人が・・・、
祭で場所の取り合いをするのです。
若くて理想として育てられた、
正妻を目の前に、
おばさんの心中は穏やかじゃなく、
葵の上も、
噂に聞く怖いおばちゃんが、
目の前にいる訳で・・・。
そんな女の争いの場所として、
葵祭が舞台となっています。
とまぁ話はそれたけど、
葵祭に関する、
ちょっとしたまめ知識、でした。
さて続きは次回。
「場所取り」に関するご紹介を。
『京都日和』
第1回『数奇』
第2回『三寒四温』
第3回『仁和寺』
第4回『葵祭1』
第5回『葵祭2』
第6回『葵祭3』
第7回『葵祭4』
第8回『京都でカレーうどん1』
第9回『京都でカレーうどん2』
第10回『京都でカレーうどん3』
第11回『祇園祭1』
第12回『祇園祭2』