第8回
山本文緒
『ブルーもしくはブルー』
自分がどれほど
残酷なことをしようとしたか、
わからせてあげる
自由を求めて、
過去に「切り捨てた」恋を経験する。
こんにちは、おかです。
梅雨明けしましたね。
いよいよ夏本番、という訳で。
前回に続き気持ちが涼しくなる本、
『ブルーもしくはブルー』をご紹介。
・・・涼しいどころか、
もはや怖くなります。
東京で自由に暮らす「蒼子」と、
福岡で慎ましく暮らす「蒼子」。
世界に1人しかいない筈の自分には、
結婚という分岐点を前に異なる選択をした、
もう1人の自分が居た。
ある日。
2人の「蒼子」は偶然出逢い、
お互いの生活の入れ替えを決意する。
自身が選ばなかった「もう1つの人生」に、
「蒼子」たちは何を想うのか。
読んでる途中で、
どんどん怖くなってきます。
「あの時こっちを選んでいれば」
というのはよくある話なのですが、
実際そのifを経験してしまったら。
想像すると、怖いですよね。
私にはホラーでしたが、
読む人によっては「結婚」についても、
考えさせてくれる物語かもしれません。
ifといえば。
『ドラえもん』の道具に、
「もしもボックス」というのがありますね。
「もしもこうだったら」と、
色々と想像するのは楽しいものです。
想像を現実にするためには、
現実には努力が必要なのですが。
例えば私なら、
「もしホラーが怖くなくなったら」!
・・・うん、考えてみたけど無理かな。
ブルーもしくはブルー (角川文庫) 山本 文緒 角川書店 1996-05 |
『ブックベルト』
第1回『ラッシュライフ』
第2回『薬指の標本』
第3回『告白』
第4回『西の魔女が死んだ』
第5回『東京タワー』
第6回『ハートブレイク・レストラン』
第7回『インディゴの夜』
第8回『イニシエーション・ラブ』
第9回『ブルーもしくはブルー』