己が信念に真っ直ぐ生きる、
ふわふわな家族たちの織りなす絆の物語。
こんにちは、おかです。
日によっては秋めいてきましたね。
虫の鳴き声が変わったなと感じます。
読書の秋・特別企画「森見登美彦」編。
今回は「狸と天狗と人」の織り成す大騒動!
随所に溢れる豊かな情景描写にも注目です。
落ちぶれ天狗の師匠に振り回され、
捕食されまいと絶世の美女から逃げ回る。
宿敵夷川家の底意地悪い攻撃も回避し、
のらりくらりと暮らす狸の名門、下鴨一家。
モットーは「面白きことは良きことなり!」
人間・天狗・狸・・・、
京都の街を巻き込んでの大騒動に、
へなちょこ家族の絆で挑む!
主役がまさかの狸です。
愛くるしい毛玉たち!
その奮闘ぶりに、心がほっこりします。
爽快感がありながらも、
気持ちが暖かくなること間違いなし。
前回とのギャップに驚かされるかも。
でも、これも立派に森見節。
私は作者の擬音・擬態の表現が特に好きです。
「むくむくと」や「ぷかぷかと」などと、
何だかいちいち可愛らしい。
可愛いは正義、面白いは正義、美女も正義!
物語によって扱うテーマは変われど、
そこがブレないところに信念を感じます。
有頂天家族 森見 登美彦 幻冬舎 2010-08-05 |
第1回『ラッシュライフ』
第2回『薬指の標本』
第3回『告白』
第4回『西の魔女が死んだ』
第5回『東京タワー』
第6回『ハートブレイク・レストラン』
第7回『インディゴの夜』
第8回『イニシエーション・ラブ』
第9回『ブルーもしくはブルー』
第10回『こころ』
第11回『銀河鉄道の夜』
第12回『太陽の塔』
第13回『有頂天家族』